転職活動前に知っておきたい!「市場価値」の測り方と高め方
更新日2024/6/13転職を成功させるために、多くの人が自分の「市場価値」を意識するようになりました。
しかし、市場価値とは何なのか、どのように測ればいいのか、どうやって高めればいいのか、具体的に理解している人は意外と少ないのではないでしょうか。
本記事では、市場価値の定義から、市場価値を決める要素、自分の市場価値を測る方法、そして具体的な高め方までを詳しく解説します。
Contents
転職市場における「市場価値」とは?
転職市場において「市場価値が高い」とは、単に専門性が高いことではなく、企業が求める能力を持ち合わせていることを意味します。
需要と供給のバランスによって決まる市場価値は、常に変化していくものです。
需要とは、企業が求める経験やスキルを指し、供給は企業が求める経験やスキルを持つ求職者の数を指します。
ビジネス環境や事業内容の変化、景気動向や雇用情勢の変化によって、企業が求める能力は常に移り変わります。
つまり、転職活動においては、応募先企業が求める経験やスキルを理解し、自分がその能力を持っているかどうかを把握することが重要です。
特に、自分と同年代の人材に対して企業がどのような経験を求めているのかを知ることは、自分の市場価値を測るための第一歩となります。
市場価値は何で決定するのか?
ハーバード大学教授のロバート・カッツが提唱した「カッツの3能力」は、仕事で求められるビジネススキルを3つに分類した理論です。
1. テクニカルスキル(業務遂行能力)
担当業務を遂行するために必要な技術や知識を指します。会計や経理担当者であれば、経理・財務の知識、営業担当者であれば、顧客とのコミュニケーション能力や販売スキルなどが該当します。
2. ヒューマンスキル(対人関係能力)
チームの一員として周囲と協力しながら働くために必要なスキルです。上司や同僚と円滑に意思疎通するためのコミュニケーション能力、顧客や他部署と関係を作るための交渉力・調整力などが含まれます。
3. コンセプチュアルスキル(概念化能力)
物事を概念化し、抽象化して捉える能力です。一見関係なさそうな出来事から、自社のビジネスに活かせるヒントを見つけるような、高い視点からの思考力や問題解決能力が求められます。
これらの3つのスキルは、「ポータブルスキル」と呼ばれ、業種や職種が変わっても通用する、持ち出し可能な能力として、厚生労働省でも定義されています。
これは、どのような仕事を選ぶとしても、組織で働く上で必要かつ重要となる能力です。
そして、転職市場における市場価値は、単にこの「3つの能力(ポータブルスキル)」だけでは決まりません。
「ポータブルスキル」×「業界・職種」×「年齢(経験)」という3つの要素が掛け合わされ、個々の市場価値が決まるのです。
例えば、経理に必要な業務遂行能力があっても、どの業界で働くのか、どのくらいの難易度の業務を担える経験があるかによって、市場価値は大きく変わります。
20代の基礎的な経理処理ができる人材を求める企業が多いのか、30代でマネジメント経験もある経理人材を求める企業が多いのか、さらに経理の求人を出している企業はどの業界に多いのかによって、転職市場の需要は大きく変動します。
つまり、自分の市場価値を測るためには、スキルや経験だけでなく、転職を希望する業界・職種、業務の難易度といった要素も考慮する必要があります。
これらの要素を総合的に把握することで、より客観的な市場価値を知ることができるでしょう。
市場価値が高い人の特徴
転職市場において市場価値を決めるベースとなるのが、先ほど挙げた「3つの能力(ポータブルスキル)」。
この能力をどのように磨き、どのように活かすことができれば、市場価値が高いと評価される人材になれるのでしょうか?
それぞれの能力について、市場価値を高める具体的なポイントを解説します。
1.テクニカルスキル:単独より掛け合わせ、汎用性で価値を高める時代
近年、業務の体系化や細分化が進み、個人の担当業務範囲は狭くなっています。そのため、かつてのように一つのスキルを極めるのに長い年月が必要だった時代は終わりを告げ、短期間で特定のスキルを習得しやすくなりました。
その結果、同じ知識や技術を持つ人材が市場に溢れ、単独のテクニカルスキルでは希少性を高めにくくなっています。
そこで重要となるのが、「複数のテクニカルスキルを掛け合わせ、様々な場面で活用できる」能力です。
特定の企業や業務に限定されない、汎用性の高いスキルを複数身につけることで、より多くの場面で活躍できる人材となり、市場価値を高めることができます。
例えば、プログラミングスキルとデザインスキルを組み合わせることで、Webサイト制作の幅広い業務に対応できる人材となります。
このように、複数のスキルを掛け合わせることで、仕事の幅が広がり、希少性も高まります。
自分の市場価値を高め、より良い転職を実現するためには、汎用性の高いテクニカルスキルを複数身につけることと、それらを掛け合わせて活用できる能力を磨くことが重要です。
2.多様化する職場で求められるヒューマンスキル:共感力と調整力で市場価値を高める
職場の多様化が進む現代社会において、自分とは異なる価値観やバックグラウンドを持つ人々と協働することは、もはや当たり前となっています。リモートワークや在宅勤務の普及により、就業場所や働き方も多様化し、コミュニケーションの機会も変化しています。
このような状況下で、ますます重要となるのが、自分とは異なる価値観や相手の立場を尊重し、共感しながらスムーズに仕事を進めるヒューマンスキルです。
特にマネジメント層においては、業務範囲が広がり、裁量も大きくなります。自分の部署だけでなく、他の部署との調整や折衝も頻繁に行う必要があります。
そこで必要となるのが、「部署間調整力」です。
各部署のニーズやメリットを理解し、会社全体の利益を考えながら、調整を図るスキルが求められます。
単に指示を出すだけでなく、相手の話に耳を傾け、共感力を発揮しながら、多様な意見をまとめ、合意形成を導くことが重要です。
多様性を尊重する思考や視点を養い、立場の違いを超えて協働できるヒューマンスキルを身につけることは、現代社会における市場価値を高める必須条件と言えるでしょう。
3. 本質を捉え、課題解決に導くコンセプチュアルスキル
コンセプチュアルスキル=「本質を捉える力」は、どの業界や職種でも必要とされる能力ですが、営業職においては特に重要です。
なぜなら、営業職はクライアントの課題を表面的に捉えるだけでなく、その背後にある本質的な問題点を明らかにし、的確な解決策を提案することが求められます。
本質を捉えて課題を解決するには、以下の多角的な思考力が求められます。
・ロジカルシンキング:数字やファクトに基づき、論理的に考える力
・ラテラルシンキング:経験や常識に縛られず、自由な発想で解決策を導き出す力
・クリティカルシンキング:目の前の問題を批判的に分析し、本質を見抜く力
中でも、社内外の人間を動かし、協働を促すためには、論理的に考える力は不可欠です。筋道を立てて物事を説明し、相手を納得させるだけのロジックを身につけることで、より効果的な提案や交渉が可能となるからです。
特に営業職においては、単に「人の話に耳を傾ける」コミュニケーション能力やヒューマンスキルだけでなく、課題の本質を見抜き、論理的に解決するコンセプチュアルスキルを磨くことで、市場価値を高め、希少な人材として活躍できるでしょう。
今後市場価値が高まるのは、変化に柔軟に対応する力
現代は「VUCA時代」と呼ばれる、予測困難な変化が激しい時代です。「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の頭文字を取った造語であり、社会やビジネス環境が目まぐるしく変化し、将来の予測が困難な状況を表しています。
リーマンショックやコロナ禍のような予期せぬ出来事、スマートフォンの普及、AI・デジタル技術の飛躍的な進歩など、近年は環境変化のスピードが加速しています。
このような状況下で成果を上げ、市場価値を高めるためには、「環境の変化に柔軟に対応できる能力」が必要です。
特に、従来IT化が進んでいなかった業界では、近年「小売×テック」からECビジネス、「飲食×テック」からフードデリバリーサービスなど、テクノロジーを掛け合わせた新たなビジネスモデルが登場し、業界全体にパラダイムシフトが起こっています。
ビジネスのルールが変わるパラダイムシフトにおいて、新しいやり方に順応し、成果を出せる人材は、市場価値が高いと言えます。
変化が起きた時に、従来の手法や古い慣習にとらわれず、状況に合わせて柔軟に考え、行動できる思考やマインドを身につけることが重要です。
自分の市場価値の測り方
自分の市場価値を知るためには、社内の評価基準だけで判断することはできません。
社内で高く評価されている経験やスキルが、社外でも需要があるのか、他の会社でも活かせるのかを意識することが重要です。
一般的に、業界や職種、年齢によって求められるスキルや経験は共通しています。
例えば、年齢別では以下のような傾向があります。
・20代中盤まで:個人での成功体験
・30代前半:リーダー経験など「個人+α」の成功体験
・30代半ば以降:マネジメント経験
自分の市場価値を測るには、まずこうした一般的なニーズと自分が持つスキル・経験を照らし合わせてみましょう。
その上で、以下のような方法も試してみるといいでしょう。
標準年収との比較
業界内における自分の市場価値を知るためには、業界標準年収との比較が一つの指標となります。まず、自分と同年代・同職種の標準年収を調べ、自身の年収と比較してみましょう。
情報収集方法はいくつかあります。
・転職エージェントや求人情報サイト:多くの転職エージェントや求人情報サイトでは、業界・職種・年齢別の平均年収を公開しています。
・業界団体:業界によっては、業界団体が調査・公開している平均年収データがあります。
・厚生労働省の統計データ:厚生労働省が公開している「賃金構造基本統計調査」等から、業界・職種・年齢別の平均賃金を把握できます。
標準年収よりも高い場合、業界内では比較的高い市場価値を持っていると言えます。 一方、標準年収よりも低い場合、スキルや経験不足などが考えられるかもしれません。
ただし、勤務地や企業規模などによって年収は大きく異なるため、標準年収はあくまで目安として捉えましょう。
「業務拡大」求人から自分の価値を再評価
求人広告で「業務拡大につき」のフレーズを見つけたら、それはあなたの市場価値が上昇しているサインかもしれません。
企業が業務拡大のために人材を求めているということは、その業務に必要なスキルや経験に対するニーズが高まっていることを意味します。
もし、その求人の募集内容とあなたのスキル・経験が合致すれば、あなたの市場価値も高まっている可能性が高いと言えるでしょう。
求人サイトなどで「業務拡大」を理由とする求人を積極的にチェックし、企業のニーズに対して自分がどれほどのスキルや経験を備えているのかを分析してみましょう。
転職サイトやエージェントを活用してみる
転職サイトに登録すれば、スカウトやオファーを通して「自分がどのような企業から必要とされているのか」「転職するなら想定年収はどれくらいか」を把握することができます。これは、自身の市場価値を知るための貴重な情報となります。
より確かな情報や専門的なアドバイスを求める場合は、転職エージェントの活用も一つの方法としておすすめです。
転職エージェントは、市場動向に精通しており、今ニーズの高い職種やスキルに関する情報を提供してくれます。
さらに、キャリアの棚卸しや自己分析をサポートし、市場ニーズと照らし合わせながら、転職やキャリアに関する最適なアドバイスを受けることができます。
市場価値を測ることは、キャリアプランを立案する上で非常に重要です。自分一人で判断するのが難しいと感じたら、転職エージェントに相談してみるのもいいでしょう。
<年齢別>求められる経験・スキルについて
かつては、30歳までにリーダー、35歳までにマネジメント経験を積むことが市場価値向上に繋がると言われていました。しかし、近年は転職市場のニーズが多様化し、年齢で明確に区切るのは難しくなっています。
とはいえ、前述の通り、企業が求める年代別のスキルや経験はある程度共通しているため、今の自分が年代に見合った能力を身につけているかを意識することで、より前向きに仕事に取り組めるでしょう。
ここでは、年代別に求められる経験とスキルを改めて紹介します。
<求められる経験>
・20代中盤まで:個人での成功体験
・30代前半まで:リーダー経験など、「個人+α」となる成功体験
・30代半ばまで:マネジメント経験や特定領域の専門スキル
また、営業職の場合は、上記に加えて、成果の再現性を期待できる人材が求められます。
成功体験があることは前提ですが、その成功をどのように実現したのかを理解し、定量的な数字や具体的な取り組みを挙げながら成功の理由を説明できる人材は、他の会社でも同じ成果を再現できると評価されます。
ただし、1回や2回の成功体験では再現性があるとは見なされないことが多いので、転職の面接で企業側を納得させるには、ある程度の経験回数や経験期間が必要となることを知っておきましょう。
成功体験を単に羅列するのではなく、その経験から何を学び、どのように活かせるのかを明確に伝えることを、面接では意識するといいでしょう。
<求められるスキル>
・20代前半:コミュニケーション能力
周囲と円滑に仕事を進めるコミュニケーション能力は、社会人として必須の土台スキルであり、この基盤がしっかりしていなければ、市場価値を高めていくことはできません。
上司や先輩、顧客など、様々な人と接する場面において、相手にわかりやすく伝えること、連絡ミスや誤解のない正確な意思疎通を図ることを常に意識し、コミュニケーション能力を磨き続けていきましょう。
・20代後半:課題解決力、業務遂行力
この年代で市場価値の高い人材として評価されるためには、一人前の業務をこなせるだけでなく、成功体験を積み重ねることが重要です。
成功体験を積み重ねるためには、課題を的確に分析し、解決策を導き出す課題解決能力が不可欠です。
さらに、考えた解決策を実行し、結果が出るまでやり遂げる業務遂行力も求められます。
・30代前半:マネジメント能力、部署間調整力
30代に入ると、組織運営に関わる仕事が増え、マネジメント能力や部署間調整力が求められるようになります。
個人として成果を出すだけでなく、チーム全体を成功に導くためのリーダーシップが求められる立場であることを意識し、ヒューマンスキルを磨き続けていく必要があります。
市場価値を高めるには?
市場価値は、日々の仕事の中で高めていくことができます。
以下を意識して取り組んでみてはいかがでしょうか。
PDCAを意識する
市場価値を高め、希少価値の高い人材へと進化するには、前述の3つのスキルを磨き続けることが重要です。そして、これらの能力は、日々の実務を通して着実に高めていくことができます。
市場価値は需要と供給のバランスによって常に変動するため、一度スキルを身につけただけでは終わりではありません。
「能力向上→実務での成果達成→実務経験による更なる能力向上」というサイクルを継続的に回すことが、市場価値を高め続けるための鍵となります。
そのためには、PDCAとOODAループという2つのフレームワークを意識し、日々の改善と進化を習慣化することが重要です。
・PDCA:「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(検証)」「Action(改善)」のサイクルを回し、継続的な業務改善を実現する手法です。
・OODAループ:「Observe(観察)」「Orient(状況判断、方向づけ)」「Decide(意思決定)」「Act(実行)」の4つの頭文字をとったもので、迅速な意思決定と行動を実現するための手法です。
この2つの最大の違いは、PDCAが「計画を立ててから行動する」のに対し、OODAループは「状況を見てとりあえずやってみる」ところから始まる点です。
例えば、既存事業の売上を伸ばしたい場合は、「売上を前年比120%にする」などと計画を立て、PDCAサイクルを回していくやり方が有効です。
一方で、新規事業を開発する場合など、過去の経験や実績に基づいた計画を立てるのが難しい時は、まず市場を観察し、状況に合わせて判断して柔軟に動くOODAループが向いています。
日々の業務の中で常にPDCAとOODAループを意識し、実務で成果を上げながら能力を高めていくことが、市場価値を高め、希少価値の高い人材へと成長していく近道となるでしょう。
新たな経験に挑戦してみる
市場価値の高い人材は、前述したように複数のポータブルスキルを備えています。日々の業務で能力を高めるだけでなく、積極的に新しいスキルや経験を身につけることも意識してみてもいいでしょう。
先輩の担当業務に必要なスキルを学ぶ、興味のある分野を独学で探求する、セミナーに参加するなど、新しいスキルや経験に挑戦する方法は様々です。何を学ぶべきか迷ったら、自分の業務に近い求人を参考にしましょう。求人票には、企業が求めるスキルや経験、人物像などが記載されています。現在の自分に足りない要素があれば、それが学びのテーマとなります。
それでも、何に挑戦すべきか判断がつかない場合は、転職エージェントに相談してみるのも有効です。市場価値を高める方法について、具体的なアドバイスや情報を得ることができます。
市場価値向上は、単なるスキル習得ではなく、能動的な学びと挑戦の連続です。
日々の業務に邁進しながら、積極的に新しいことにチャレンジすることで、自身の可能性を広げ、より高い市場価値を獲得することができるでしょう。
まとめ
市場価値は、様々な要素によって左右され、需要と供給のバランスによって常に変動します。市場価値を高め、キャリアを成功させるためには、今の時代のニーズを的確に把握し、企業が求めるスキルや経験を戦略的に身につけることが重要です。
あらゆる職種で活かせる凡用性の高いポータブルスキルをベースに、変化に対応する柔軟性や年代ごとに期待されるスキルや経験を身につけながら、市場価値を高めていきましょう。
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