転職活動で複数の内定獲得！スマートな断り方と知っておくべきリスク

更新日2024/5/7

転職活動では効率的な就職活動のため、多くの求職者が複数の企業に並行して応募します。選考日程が重なるケースも多く、複数企業から内定を獲得する状況も珍しくありません。

本記事では、転職活動で複数の内定を獲得し、一部の企業を辞退する必要がある場合のマナーや注意点、そして連絡をせずに辞退することのリスクについて解説します。

転職活動は複数応募が一般的

在職中の転職活動は、限られた時間の中で情報収集や選考準備を進めるため、仕事との両立が難しく、時間的にも精神的にも負担が大きいものです。

多くの求職者は、効率的に内定を獲得するために、複数の企業に並行して応募し、選考を進めていきます。

企業研究や志望動機整理など、事前準備をしっかり行うことはとても重要ですが、1社に時間をかけすぎると活動期間が長引いてしまう可能性があります。

そこで、複数の企業に並行して応募することで、それぞれの企業の条件や福利厚生などを比較検討でき、自分に合った転職先を見つけやすくなります。

内定を獲得できるまでの応募数について−あなたの状況で変わるベストな数字

転職活動における内定獲得までの平均応募数は約10社と言われています。しかし、転職は年齢によって有利不利があり、特に20代と40代以上では書類選考通過率に大きな差が出ることがわかっています。

現職とは異なる業種・業界への転職を目指す場合は、年齢が上がるほど選考通過率や内定率が厳しくなる傾向があります。

必要な応募数はあなたの状況によって異なる

転職活動で必要な応募数は、個人の経験・スキル、希望する職種・業界、年齢などによって大きく異なります。そのため、求人探しを始める前に、転職期間の目標や応募数の目安を設定しておくといいでしょう。

内定辞退が必要になることも

転職活動で複数企業に並行して応募した場合、優先度の高い企業の選考が進むにつれて、他社から内定が出た場合に辞退を検討するケースも出てくるでしょう。

内定辞退は法律的に問題ありませんし、企業側が拒否することもできません。多くの採用担当者は内定辞退の可能性も想定しており、無理に引き止めるケースは少ないでしょう。

しかし、企業は時間とコストをかけて採用活動を行っているため、内定をくれたことへの感謝の気持ちと誠意を持って、丁寧に断りの連絡をすることが大切です。

内定辞退のマナーや穏便な断り方は？

転職活動において、複数の内定を獲得することは決して悪いことではありません。しかし、内定辞退の際は、企業への感謝の気持ちと誠意を持って、迅速かつ丁寧に連絡することが大切です。

内定辞退の連絡は気が引けるかもしれませんが、企業は内定を出したことで、他の候補者の選考をストップしている可能性もあるため、連絡をせずに辞退するのは絶対に避け、なるべく早くに担当者へ伝えましょう。

内定の回答期限は？

内定獲得後には、一般的に企業から「内定承諾書」が送付され、提出することで正式な内定となります。提出期限は企業によって異なり、1週間から1ヶ月程度と幅があります。

他の企業の選考状況によっては、期限内に内定承諾をすることが難しい場合もあるでしょう。そのような場合は、採用担当者へ相談してみましょう。「内定保留」という形で、承諾までの期間を延長してもらえる可能性があります。ただ保留できる期間は企業によって異なるため、正直に他社の選考状況を伝え、確認を取ることが大切です。

また、内定承諾書を提出してしまった後に内定辞退をしたい場合もあるかもしれません。内定承諾書に法的な効力はないため、辞退自体は可能です。しかし、トラブルを避けるためにも、なるべく早めに辞退の連絡を行うことをおすすめします。

内定辞退の伝え方は？

内定辞退の連絡は、より誠意を伝えられる電話で行うのがおすすめです。

稀に企業によっては、内定辞退の連絡方法を指定している場合があるので、ホームページなどで確認しておくと安心です。

＜電話のタイミング＞

企業の営業時間内で、担当者が不在の可能性がある出社直後や退社間際、お昼休憩の時間帯は避けましょう。

10時～12時、14時～16時などがおすすめです。

●具体的な流れ

1.最初に氏名を名乗り、内定辞退の旨を伝える

2.選考に時間を割いてくれたことに感謝の気持ちを伝える

3.辞退理由を簡潔に説明する

4.今後のキャリアプランについて簡単に伝える

5.お詫びの言葉を述べ、丁寧な言葉遣いで電話を終わらせる

＜不在の場合＞

採用担当者宛てに電話をして不在の場合は、メールで連絡しても問題ありません。

件名には「内定辞退のご連絡」と明記し、本文には「お電話を差し上げましたが不在でしたのでメールにて失礼いたします」と、一度電話をしたことを一言添えましょう。

その他本文には、氏名、内定辞退の旨、選考への感謝の気持ち、辞退理由、今後のキャリアプラン、お詫びの言葉を記載すると丁寧な印象です。

＜辞退の理由について＞

法的な回答義務はありませんが、簡潔で構いませんので、感謝の気持ちも込めて正直に伝えるのがおすすめです。嘘の理由は後々トラブルに発展する可能性があるため避けましょう。

内定辞退は「連絡あり」と「連絡なし」で大きく差が出る

近年、新卒市場では内定辞退の連絡をせずにいわゆる「ばっくれる」人が増えていると言われています。転職市場では社会人経験者が多いこともあり、このようなケースは少ないものの、内定辞退を気まずいと感じる人は少なくないでしょう。

内定辞退はあなたの権利であり、企業は受け入れるしかありません。 法的に個人に対して損害賠償請求できるケースもほとんどありません。しかし、企業にとっては、人員計画や予算が大きく狂い、採用活動に多大な労力とコストを費やしたにも関わらず内定辞退されることは大きなダメージとなります。

同じ内定辞退でも、早急に連絡し誠意を持って謝罪するのと、連絡せず何も言わずに「ばっくれる」のでは、採用担当者の印象は大きく変わります。

さらに、転職先が将来、無連絡辞退をした企業と取引先になる可能性もゼロではありません。 誠意のない対応は、将来のキャリアにも悪影響を及ぼす可能性があります。

内定辞退は決して悪いことではありません。 しかし、企業への感謝の気持ちと誠意を持って、 必ず連絡をする ことが大切です。

まとめ

転職活動では、複数の企業の選考を並行するのが一般的です。そのため、選考状況によっては複数の内定を獲得したり、内定承諾のタイミングが重なり、内定辞退を余儀なくされるケースも出てきます。

内定を断るのは勇気がいり、決して簡単なことではありません。しかし、転職後も気持ちよく働ける環境を築くために、ビジネスマナーに基づいた円満な内定辞退を心がけましょう。