職務経歴書作成で差をつける!採用担当者に響く5つの秘訣

更新日2024/3/28

職務経歴書は、転職活動において最も重要な書類の一つです。 なぜなら、転職では応募者の「これまでの実績から、自社でも活躍してくれるか」を判断する必要があるからです。そして、その実績を効果的にアピールするために最適なツールが、職務経歴書なのです。

しかし、実績の書き方が誤っていると、せっかくの能力が正しく伝わらず、採用担当者に良い印象を与えることができません。

そこで、転職活動で差をつけるための、職務経歴書であなたの魅力を最大限に引き出す5つの秘訣をご紹介します。

そもそも職務経歴書とは

転職活動において、職務経歴書はあなたの強みを効果的にアピールし、採用担当者に「この人材を採用したい!」と思わせるための重要な書類です。

履歴書とは異なり、職務経歴書はあなたのこれまでのキャリアを詳細に伝える役割を担います。

職務経歴書には、担当した業務だけではなく、その中で得られた「成果」や「スキル」「強み」を具体的に記述することがとても重要です。加えて、その成果をあげるために具体的にどのような取り組みをしてきたのかを記述することで、採用担当者はあなたが応募企業でどのように貢献できるのかを判断することができます。

また、その際には、まず自分の強みやスキルを整理することが重要です。「あれもこれもできる」と書きすぎると、かえって焦点がぼやけてしまい、中途半端な印象を与えてしまう可能性があるからです。一番アピールしたいポイント、あるいは応募企業にアピールすべきポイントに絞って書くといいでしょう。

具体的には、応募企業のホームページや求人情報などを参考に、企業理念や事業内容から求める人物像を分析し、そこにあった能力にフォーカスして、なぜ自分がその企業で活躍できるのかを具体的に示すことが重要です。転職活動で気をつけなければならないのは、「自分がアピールしたいこと」と「企業が評価するポイント」は必ずしも一致しないということです。

求められているスキルや人物像がわからない場合でも、会社の社風や経営理念とマッチングしているか、といった点を意識して書くことはできます。

働きながらの転職活動であれば、より時間的な制約もあり大変ですが、「ぜひ、ここに転職したい」と強く希望する会社の場合は、応募企業ごとに内容を調整して、オリジナルな職務経歴書を手間をかけて作成する価値はあると思います。

なお、文章量の目安としては、A4サイズ3~4枚程度にまとめ、読みやすさを意識しましょう。

では、職務経歴書を具体的に書く際、心がけておくべきポイントをお伝えしていきましょう。

1.抽象的な言葉(ビックワード)の使いすぎは避けるべき

1つ目の職務経歴書でありがちな失敗は、格好良い響きや綺麗な言葉で自分を飾り、具体性のないビッグワードを多用してしまうことです。転職活動では即戦力性が求められるため、抽象的な表現でスキルや強みをアピールしても、採用担当者に響きません。例えば、「営業力が強みです」「PDCAを回して成果を上げてきました」「マネジメント全般が得意です」といった表現は、具体性がないため、説得力に欠けます。

「マネジメントを得意としています」という表現は、具体的なマネジメント経験や成果を示していないため、単なる自己主張に過ぎません。同様に、「営業力が強みです」という表現も、具体的な営業成績や戦略を示さなければ、ただの自慢話に聞こえてしまいます。

このような抽象的な表現は、応募者がどのようなスキルを持った人材なのか全く伝わらないだけではなく、様々な誤解を生むリスクがあります。

同じ言葉でも、人によって基準が違うため、異なる解釈ができてしまい読み手に解釈の余地を与えてしまいます。例えば「PDCAを回す」という表現は、人によっては「月単位で改善する」と捉えるかもしれませんが、スピード感が求められる企業であれば「毎日改善する」と捉えるかもしれません。

「数多くの優れた実績」という表現は、具体的な数字や事例がないため、どれほどの成果なのかが曖昧です。面接官が過度に期待してしまうなど、誤解を生む可能性があります。

また、「具体的なアピールポイントがないから、抽象的な表現で誤魔化しているのではないか」と疑われる恐れさえあります。

採用担当者は、応募者から具体的なスキルや経験を知りたいと思っています。そのため、職務経歴書には、具体的な数字や事例を用いて、自分の強みを明確に伝えることが重要です。

以下は、ビックワードを多用するNG例を改善した自己PR文の例です。

<改善例>

私は、5年間の営業経験で培ってきた顧客ニーズ分析力と提案力を活かし、新規顧客開拓で常にトップセールスを達成してきました。特に、〇〇業界での営業経験が豊富で、〇〇という課題を抱える顧客に対して、〇〇という提案を行い、成約率を昨対比△△%向上させました。貴社でも、これまで培ってきた経験とスキルを活かして、新規顧客開拓に貢献したいと考えております。

このように、具体的な数字や事例を用いることで、自分の強みを客観的に示し、説得力のある自己PR文を作成することができます。

2.応募企業に合った実績にフォーカスする

2つ目は、職務経歴書には、応募企業が求める実績を重点的に記載することが重要ということです。特にジョブローテーションで異なる部門を経験した場合は、応募職種に関連する実績を強調し、人事担当者が求める人物像と一致していることを明確に示しましょう。

例えば、経理の求人を中心に転職活動を進めたい場合、新卒から経理一筋で10年キャリアを積んでいれば、経理職種での実績をそのまま重点的に記載すれば問題ありません。しかし、大手企業などで営業や工場など異なる部門を経験した場合は、それぞれの部門での実績を同等に記載するのは勿体無いかもしれません。

経理求人の場合、人事担当者は応募者の経理職種としての即戦力性を重視します。そのため、営業や工場での経験や実績を詳細に記載してしまうと、経理としての経験や実績が見えづらくなってしまう可能性があります。

もちろん営業や工場での経験も大切な経験であることに変わりありませんが、人事担当者は経理としての活躍を期待していることを念頭に置きましょう。

面接でのやり取りと同じように、 相手が何を知りたいのかを意識し、そのポイントに重きを置いた経験や実績を伝えるようにしましょう。

3.実績を数字で書くときは、判断基準も忘れずに

3つ目は、数字を使って実績を書くときは、単に数字を羅列するだけでなく、読み手にわかる「ものさし」を一緒に示すことが重要ということです。

例えば、「年間売上高1億円」という数字だけだと、それが良い実績なのか悪い実績なのか判断できません。しかし、「営業担当者20人のうち1位」や「年間売上高1億円(社内1人あたり平均売上高7,000万円)」のように、比較対象や達成率を示すことで、客観的に実績を評価することができます。

さらに、数字だけでは表れないスキルも、具体的な説明を加えることでアピールできます。

例えば、営業職であれば、取り扱っていた商材、顧客ターゲット(to Bかto Cかetc.)、営業スタイル(新規営業、既存顧客の深耕・代理店営業etc.)などを明記することで、どのようなスキルを持った人材なのかをより明確に伝えることができます。

バックオフィスなどの定型業務の場合は、事務処理量の変化、効率化の具体的な方法、ミス低減の仕組みなどを数字で示すことで、実績を伝えることができます。

このように、数字と第3者でも判断ができる「ものさし」を組み合わせることで、説得力のある職務経歴書を作成することができます。

4.実績にはプロセスや因果関係をプラス

4つ目は、職務経歴書には、単に仕事の実績を羅列するだけでなく、なぜその結果を生み出すことができたのかを明確に伝えることが重要ということです。

数字で示せる成果だけでなく、成果に至るまでのプロセスや因果関係を説明することで、あなたの貢献度やビジネスパーソンとしての能力をより効果的に伝えることができます。

例:営業チームの業績向上

実績:営業チームとして、前年比150%の売上を達成

プロセス:

営業マネージャーとして着任後、チームの業績低迷の原因を調査

原因:営業メンバーの提案力不足

対策:情報共有の時間を週1回設定し、商談事例を共有

結果:6か月後にチーム月間売上150%UP

このように、実績に至るまでのストーリーを具体的に説明することで、あなたの課題解決能力やリーダーシップ、実行力などをアピールすることができます。

さらに、応募企業の課題解決にどのように貢献できるのかを意識して実績を選定することで、より高い評価を得られる可能性が高くなります。

例えば上記で示した業績向上の例は、業績低迷の組織の再建を担う募集であれば、高い評価を得られる可能性が高いですが、一方、担当業務を着実に運用することを期待する求人では、別の経験や実績をアピールする方が効果的かもしれません。

募集背景や事業フェーズによって求める人物像や期待スキルは異なるため、応募企業に合わせて内容を調整することも考えてみてもいいでしょう。

5.環境に左右されない、再現性のある実績か?

最後の5つ目は、職務経歴書で重要なのは、過去の栄光ではなく、応募企業で再現性のある成果をアピールするということです。

再現性のある成果とは、環境に依存せず、自身の能力によって導き出すことのできる成果です。

採用担当者が求めるのは、自社で活躍できる人材です。そのため、前職での実績だけでなく、その再現性を明確に示すことが重要です。

能力と環境の区別がつかないがために、期待通りの活躍ができなかった人材を採用してしまうケースは少なくありません。優秀な人材だと思って採用したにもかかわらず、期待に応えられないのは、本人の能力不足だけでなく、会社のブランド力や周囲のサポートに頼っていたというケースも存在します。

そのため会社側は、応募者が過去に成し遂げた結果・実績だけでなく、その結果を自社の環境でも発揮できる能力を持っているかどうかを重視します。実績につなげられたプロセスは「環境が変わっても発揮できるものか」という観点から判断されるのです。

例:マネジメント実績

実績:チームメンバー全員とコミュニケーションを図り、目標達成率120%を達成

再現性のポイント:

役職に頼らず、傾聴と明確なビジョン提示でメンバーを巻き込み、自主性を促進

1on1ミーティングで個々の課題を把握し、個別指導を実施

メンバー同士の交流を促進するチームビルディングイベントを定期開催

これらの取り組みによって、メンバーのモチベーションとチームワークを向上

このように、具体的な行動や工夫を説明することで、実績が環境に依存せず、自身の能力によって再現可能であることをアピールできます。

<まとめ>転職活動をうまく進めるために

これまで転職活動における職務経歴書の実績の書き方のポイントなどを記載しましたが、すぐにこれらのポイントを押さえた記述ができる人ばかりではありません。

自分自身のことは客観視しづらく、周囲に相談できる相手も限られる場合が多いでしょう。転職活動は公にできない場合も多く、一人で抱え込んでしまうと、方向性を失ってしまうこともあります。

現職の同僚になかなか転職についての相談はしづらいかと思いますが、学生時代の友人やご家族など、身近な人にこれまでの実績を話すことも良い方法かと思います。客観的なフィードバックを得ることで、自分では気づいていなかった強みや改善点に気づくきっかけとなるでしょう。

転職活動は孤独な戦いです。周囲の協力を得ながら、より効果的な活動を進めていきましょう。

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